ボズレー式植毛のデメリット
ボズレー式植毛は、FUT法と呼ばれるメスを使う術式を元に開発されているので移植元になるドナーを採取する時に後頭部の髪の毛を帯状に採取する必要があります。
この術式だと後頭部の傷あとが大きくなるので、治ってもあとは残り、痛みもあるのがデメリットです。
ボズレー式植毛のメリット
ボズレー式植毛では、バリグラフトという方法で髪の濃さや流れを限りなく自然に近い形で再現することができます。
簡単に説明すると、採取する毛根もすべてが同じではなく、生えている本数も違えば、太さ、流れも違います。これらを適材適所に植毛していくことで毛根を無駄にすることなく、効率よく植毛することができます。
バリグラフトを詳しく説明すると
バリグラフトとは、「バリエーション毛髪移植法」のことです。生えてくる本数が違う毛根を部位によって使い分けて自然な髪の毛を再現できる方法です。
1つの毛根からは1本~4本ほどの髪の毛が生えてきます。仮に4本生えてくる毛根ばかりを植毛すれば密度が確保できるメリットがありますが、不自然に濃くて、流れが一定というデメリットがあります。
逆に1本ばかりの毛根を植毛すれば自然な毛の流れを再現できる代わりに手間が増える上に密度を作るのが大変になるデメリットがあります。
こういったメリットとデメリットを考え、頭の場所によって生えてくる本数の違う毛根を使い分けることで密度を最大限発揮しつつ、髪の毛の自然な流れを再現できるのが「バリグラフト」の特徴です。
植毛に使われるグラフトの種類
マイクログラフト:毛根1~2本
フォリキュラーグラフト:毛根2~3本
ダブルフォリキュラーグラフト:毛根3~5本
開発した人と時期
1974年に90%以上の定着率を成功させて注目された術式です。
開発者は「L・リー・ボズレー博士」
グラフトによって植え込む場所を選んで植毛することで見た目が、より自然になると評判になり、世の中に広まりました。
このボズレー博士の名前をとって「ボズレー式植毛」という名前がついています。
ボズレー式植毛のまとめ
FUT法(メスを使う術式)が主流の頃に有名になった術式です。単調になりがちだった髪の流れや濃さが自然になるということで評判もかなりたかかったようです。
しかし、あくまでメスを使う術式が発展したものなので取り扱うクリニックも少なくなっています。
現在では、メスを使わない(FUE法)が主流になっていて、後頭部のドナーの採取をメスではなくパンチでくり抜くことで痛みと傷あとを最小限にできる術式が開発されたからです。
この術式だと、あらかじめ必要な毛根のみをピンポイントで採取することもできるため、無駄にすることなく適材適所に毛根を植え付けることができるようになったのも大きな理由のひとつです。
つまり、結果としてメスを使う術式自体が減ってきている中でボズレー式植毛が選ばれる理由がなくなってしまったと言えるでしょう。今後は、メスを使わない術式を選んだ方がリスクが少ないと言わざるをえません。
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